ICUでのお名前や日付の確認…なぜそんなに頻繁に聞かれるの?

ICUでのお名前や日付の確認…なぜそんなに頻繁に聞かれるの?

集中治療室(ICU)に入院された患者さんや、ご家族の皆様から、「お名前や生年月日などを何度も聞かれて、申し訳ない気持ちになる」というお声をいただくことがあります。この記事では、ICUで患者さんのお名前や日付などを頻繁に確認する理由を、分かりやすくご説明いたします。

ICUでは、様々な治療や検査が行われます。患者さんの状態は刻々と変化し、時に深刻な状況になることもあります。そのため、常に正確な情報に基づいて、迅速かつ適切な対応をすることが非常に重要です。

しかし、ICUに入院されている患者さんの中には、病気や治療の影響で、意識がはっきりしない、または記憶が曖昧になってしまう方が少なくありません。これは、病気そのものや、薬の影響、ストレスなど様々な理由が考えられます。中には、元々認知症などの既往症がない方でも、一時的に記憶障害やせん妄(せんもう:現実と異なる認識や行動をする状態)といった状態になる場合もあります。

そのため、医療スタッフは、患者さんの安全と適切な治療を確保するため、定期的に、そして担当者ごとに、お名前や生年月日などの個人情報を確認する必要があるのです。これは決して患者さんを疑っているわけではありません。患者さんにとって最善の医療を提供するための、大切な手順なのです。

ご家族の皆様も、患者さんのお名前や生年月日などを正確にお伝えいただくことで、医療スタッフの迅速で正確な対応を助けることになります。ご協力をお願いいたします。

もし、お名前や日付の確認についてご不明な点やご心配な点がございましたら、お気軽に担当医や看護師にご質問ください。私たちは、患者さんやご家族の皆様に安心して治療を受けていただけるよう、常に努めています。